第3回大会以降、4月の第2日曜日が恒例となっていたエソワンGP。ことしは諸々の都合上、第3日曜の開催となった。それが幸いしてか、ことしは一週間前から晴れの予報。前日になっても予報は変わらず、ようやく天候に悩まされることなく開催の運びとなった(それでもポツポツとこぼれてきたのはご愛敬)。
午後からは風が強くなることもあったが、157名という多数の参加者が集まった。大きな混乱もなく受け付けは終了した。
昨年に引き続き、MCは『四季の釣り』でおなじみの伊丹章さんが担当。例年通り、実行委員長・ひろの開会のあいさつ、副実行委員長・青山雄史のルール説明に続き、記念撮影。エソワンGP実行委紅一点・つなの号令で競技スタートとなった。
ことしは日程の変更からか、本部会場が設置された美浜町ではコスプレのイベントやフリーマーケット、さらにお隣の御坊市ではクラシックカーのイベントなども重なり、賑わいを見せた一日となった。果たして肝心の釣果はどうだったのか。前評判では「爆釣」という声、「全く釣れない」との声が入り乱れ、非常に読みが難しい大会となったが、実行委員が少し現場視察に向かったところ、ムラがあるものの釣果は出ていたようだ。
ことしも昨年同様に総合釣具メーカー「ゼスタ」さんがロッドの展示・試投会を開催、また、福井県鯖江市から偏光グラスメーカーの「136」(いさむ)さんが展示・試着会を開催していただき、参加者は、実際に触れることでその良さを実感していた。
例年ならウェイイン締め切りの2時間ほど前からちらほらと帰着する参加者がいるのだが、今年はウェイインリミットの正午ぎりぎりまでなかなか帰着者が現れず、最後まであきらめずに結果を求めているアングラーが多かったことが伺える。
そしてこれも毎年のことだが、一度もロッドを握ることなく仲間との再会、会話に花を咲かせたグループもいた。
ウィイン後、集計中は海岸の清掃。全員に快く協力していただいた。
これらすべてがエソワンである。
宇宙一の称号を手にするも良し。
和歌山の海で他魚の豪快なファイトを楽しむも良し。
はたまた、和歌山の自然を楽しむのもまた一興。
それぞれがエソワンGPであり、独自の楽しみである。
それでは結果発表。
まずは他魚の部から。
時期的に青物は下火になるのは予想通り。団子状態を抜け出し、優勝したのは、
エントリーナンバー111とぞろ目の
まぁちゃんさん!
シマフグ1246g!
今回が初参加。外道だろうが何だろうが釣りは楽しい! 釣れなくても楽しい!というまぁちゃんさん。青物の姿は見られなかった今回、持ち込んだのは堂々のキロアップのシマフグ。地元和歌山ではオヤマと呼ばれ、味にするとトラフグを少しあっさりとした魚。フグ免許を持っている人がさばくと非常においしい魚である。何でも楽しいという通り、楽しんでいただけたでしょうか。おめでとうございます。
◇ ◇
続いてエソの部
エソの部については、見事本命魚をゲットし、ウェイインした人は157人中35人。参加人数も減ったため、当然、昨年(49人)を大きく下回った。
うちリミットメイク達成者は5人、こちらは昨年の6人とほぼ同数だった。
総漁獲エソ匹数は76匹(昨年対比27匹減)
重量にして26,963g(昨年対比8,726g減)
1匹の平均は355g(昨年対比9g増)だ。
宇宙一の称号を手にするための一つの壁といえる“2,000g”を突破したのはたった一人のみ。
王者になれる資質を備えた猛者である。
それでは発表。
栄えあるエソワンGP2019、157人の頂点に輝いたのは、
総重量2,491g
エントリー№76
もりきゅさん!
エソワンには昨年初参加。昨年はノーフィッシュと悔しい思いをし、それをばねに大会後1ヵ月、みっちりと修業をし、400匹以上を釣り上げる執念を見せた。この経験を生かし、今回堂々の成績で頂点に立った。
今大会もプラを重ね、パターンを解析。当日は8本ゲットし、「これは(頂点を)取ったな」と確信したという。ポイントはやはりエソの聖地と呼ばれる「衣奈漁港」であり、さらに伊丹章さんのオリジナルジグ「アキパラ」で釣った人で一番大きな魚だった人に贈られる「伊丹章賞」もゲットした。副賞としては、エソワンオリジナルのエソスティック2ndジェネレーションとアキパラロッド(非売品)を手にした。
周りの仲間に感謝、そして、何より快く釣りに送り出してくれてる奥様に感謝!
結果発表!
【エソの部】
優勝 もりきゅ 5匹 2491g(歴代2位)
2位 むろちゃん 5匹 1876g
3位 下衆王ジャンウオコフ 5匹 1767g
【他魚の部】
優勝 まぁちゃん シマフグ 1246g
2位 ぱぴぷぺぽ シマフグ 793g
3位 ロングラン ホウボウ 495g
【ジュニア部門】
優勝 UTA 1匹 234g
【レディース部門】
優勝 よっしー イワシ 1匹 24g
【珍魚賞】
該当なし
エソの部、他魚の部の全成績は、公式HPの2019リザルトにて公開中!
総 評
まずは参加者の皆さま、そしてスポンサーの企業・団体さま、心よりお礼を申し上げます。何より素人集団の運営ゆえ、不手際も多数あったと思いますが、皆さまのサポートによりこの大会を運営できていることに感謝しております。
大会日程を第3日曜日に変更した今回、今となってカミングアウトしますが、大きな心配が2つありました。一つは大会当日に大きなイベントが重なっていたため、駐車場に車を止めることができるのかということ。昨年の台風の被害により駐車スペースも若干狭くなったうえにイベントが重なったことで、皆様にはご迷惑をお掛けしてしまったと思っております。申し訳ございませんでした。もう一つの心配事は、実は万が一延期になってしまったとき、この煙樹ヶ浜キャンプ場の前の本部会場は使えないということでした。理由は予備日に設定した28日にはキャンプ場がオープンするため、美浜町さんから大会場所を変更してほしいと要望されていたのです。
そう、今大会は少々の荒天でもやらざるを得ない、延期などないという背水の陣での開催だったのです(一応予備会場は考慮していましたが…)。そう考えた時、100台以上の車を無料で収容でき、さらに朝早くから音響設備を使っても近所迷惑にもならないというこの会場、ものすごく恵まれてませんか? 景観もいいのでチェアとテーブルを出してずっとしゃべっている参加者さんがいることも、うなずけます。
過去2年間、ウェイイン時にはコアマンさまの協力でカフェを出店していただき、参加者さまにふるまっていただきましたがことしはご都合が合いませんでした。しかし昨年同様にゼスタさまにロッドの展示・試投会を開催していただき、特にゼスタさまが今年10周年ということで、10周年記念モデルのロッドを展示してくれたところ、究極の汎用性というコンセプト通り、これ一本あればライトゲームの全てをカバーできるという出来、感度も抜群で欲しくなった人も多かったのではないでしょうか。さらにメガネの本場、鯖江市から変更グラスブランドの「136」(いさむ)さんがご来場下さり、参加者さんに一日、貸し出しのサービスを行ったり、モニター募集もされていました。釣りに特化した偏光グラスで、ガラス製なのに圧倒的な軽さ(よくあるプラスチック製よりも軽いそうです)と、ガラスならではのくっきりとした視界。耐久性も抜群だそうで、私も掛けさせていただいた瞬間、その軽さに驚きました。
そしてことしも伊丹さんの巧みなトークによるじゃんけん大会とくじ引きが行われ、目玉には、日本一のフィッシングホテル「淡路島観光ホテル」さまのペア宿泊券のプレゼントが。こちらの争奪も大いに盛り上がりを見せてくれました。そして今回、さらに隠し玉も用意、、これは会場におられた方々のみの秘密としておきましょう。伊丹さんからのビッグなプレゼントもありましたよ(なんと他魚の部優勝のまぁちゃんさんが獲得!)。
ことしの優勝の副賞は、昨年同様オリジナルの「エソ専用ロッド」。デザインが初代エソ専用ロッドより奇抜となり、レングスはやや短く、硬さはより硬くすることでジグの操作性を高めてみました。
エソワンGP2019。この総評で毎年のように書かせていただいておりますが、さまざまな価値観を持つアングラーが集う場となっております。真剣にエソを狙うもの、和歌山の海という豊かな舞台で他魚の部を狙うもの、はたまた釣り竿は一切振らず、バーベキューにいそしんだり写真撮影を楽しむもの。エソワンは人それぞれの楽しみ方があるレクリエーションという、まさに楽しんだもの勝ちという存在であるのだなぁと、釣り本来の持つ「楽しむ」ということを教えていただいているようです。
最後に一つ。開会式で申し上げた通り、我々実行委員の一人、ぶーちゃんこと乾君が昨年5月、39歳という若さでこの世を去りました。長い間闘病生活を送り、昨年のエソワンには絶対に参加するという強い意志を示してくれていましたが、叶いませんでした。参加者の皆様には開会式では黙とうをささげていただき、感謝いたします。彼にとってエソワンGPは、特別な存在で、そして実行委員みんなは仲間だと約束して旅立たれました。実行委員のきずなもさらに強くなりました。しかし、自分たち実行委員会だけではできないことを参加者さま、有志の皆様が補ってくれて、スポンサー様にも多大なる御協力をいただいて成り立つ大会です。ただただ頭の下がる思いです。
心から感謝しています。
来年は記念すべき10周年ですね、この場所でお会いできること、楽しみにしております。
エソワンGP実行委員長 ひろ